学校法人ヴォーリズ学園(滋賀県近江八幡市)が、県内唯一の私立小である近江兄弟社小(同市浅小井町)の2018年度以降の募集を行わない方針を固めたことが7日、分かった。少子化による入学者数低迷と県内での私立小のニーズ低下が大きな要因。在校生が卒業するまで教育活動は続ける。
県私学・大学振興課や同校によると、現在の在校生は151人と収容定員432人の35%にとどまる。入学者数は5年連続で募集定員を下回り、人件費や運営費をまかなう上で採算のとれない状態が続いてきた。
学校法人が11月14日に開いた常任理事会で募集停止の方針を決断した。今月15日の理事会と評議員会で正式に決定し、17日に教職員と在校生の保護者、来春の入学予定者の保護者を対象にそれぞれ説明会を行う。全校児童には7日の朝礼で事情を伝えた。
募集を再開しない限り、17年度の入学者が卒業する23年3月で休校となる。清田剛校長は京都新聞の取材に対し、「非常に残念な決断をしなければならない。100年を超える歴史あるヴォーリズ学園がさらに発展する過程の一つと受け止めている。最後の一人が卒業するまで努力を惜しみません」と話した。
近江兄弟社小のホームページによると、1922年に創立されたキリスト教主義を建学の精神に据えるヴォーリズ学園が母体で、47年に開校。2014年に現在地に移転した。
京都新聞 2016.12.8