校長先生面接アドバイス
小学校受験で、どの家庭もお悩みになるのが「面接」です。
実際に面接をされている先生方に、面接のアドバイスをお聞きしました。
他校を志望されるご家庭も参考になるのではないかと思います。
面接を受ける上で大きなヒントが下に隠されています。是非お読みくだい。
雲雀丘学園小学校校長 石田成光先生
【面接について】
雲雀丘学園小学校では、お子様の受験日に先立ち保護者の方の面接をさせていただいております。面接は、校長と教頭の2名でさせていただいております。
◆お一人で結構です
お越しいただくのは、ご両親・お父様だけ・お母様だけのいずれでも結構です。
ご両親で来られた方が有利ということはございませんので、ご夫婦で無理をしていただく必要はございません。
◆程よい時間でお答えください
面接時間は、出入りの時間も含めて5分 間ですので、あまり立ち入ったお話を伺う余裕はございません。お伺いするのは、お子様の特徴や本校を選んでいただいた理由などが中心になります。子育て方 針やお子様への期待なども伺うことがございます。
短い面接時間ですので、程よい時間(長さ)でお答えいただくと、有り難いです。
◆気持ち・思いが伝わるように
親御さんのお気持ちや願い、お人柄等を知りたいと思って面接をさせていただいています。
いかにも「準備をしてきました。」というお話よりも、ありのままのお 話をしていただくことで、心が伝わってきます。お子様への思いや、本校への期待などを正直にお話いただくことが、良い結果につながるのではないでしょうか。
城南学園小学校 山北浩之校長先生
【面接を受けるに当たって】
(個人面接)
〇いろいろな質問に答えられるか。
・挨拶は、大きな声で、笑顔でできるように。
・「~しましょうね。」の問いかけには、まず、「はい。」の返事を。
・「~です。 ~します。」の語尾を忘れずに。
・答えにくい質問であっても、一生懸命に考えて答える。すぐに「わかりません。」と言う ことのないように。
〇指示を理解して作業することができるか。
・指示を聞き逃さないように、相手の目を見て最後まで聞く。
・話が終わってから、作業を始める。
・根気のいる作業の場合は、最後まであきらめないで取り組む。
〇日常のしつけがなされているか。
・「席を立つ場合は、椅子をしまう。」、「靴を脱いだら揃える。」などの基本的な事柄が当たり前にできるように日頃から実践しておく。
(親子面接)
〇面接前
・静かに待つ。ただし、子どもの心を安定させるためのスキンシップや笑顔を忘れないよう に。
・携帯電話の電源は、オフにする。
〇面接中
・質問者を見て、大きな声ではっきりと答える。
・子どもが答えている時、保護者は暖かい目線で。(子どもが保護者の方を見てきた時は、笑顔でうなずき安心感を与える。)
・答えにくい質問であっても、一生懸命に考えて答える。すぐに「わかりません。」と言う ことのないように。
〇面接後
・面接後も気を抜かない。緊張感から解放された時に、その家庭本来の姿が出ることが多いです。
日頃から前向きな明るい家庭作りを心掛け、どのような場面であってもにこやかに対処で きるようにする。
帝塚山学院小学校 兵頭 慎校長先生
【入試での保護者面接について】
入試時期が次第に近づいてきて、受験者を抱えるご家庭では、いろいろと保護者の方がご不安になられたり、焦られたりしてはおられませんか?
今後、保護者の皆様に心掛けていただきたい事は、まずご家庭での健康管理とお子様を安心感で包んであげることです。
保護者の方もゆったりと一度深呼吸しましょう。お子様が生まれた時の感動をもう一度思い返してください。そして、微笑んであげてください。
保護者の方の愛情と落ち着きは必ずお子様の良い結果につながると思います。
本校で行う保護者面接についてですが、私たち学校側が保護者の方にお聞きしたいのは、本校のどういったところに魅力を感じ受験を決められたのかといった志望動機です。 それから、ご家庭での教育方針をお聞かせいただきます。
どんな子どもさんに育って欲しいのか、育てたいと思っているのかを具体的なことを通してお聞きしたいと思います。
教育は子どもさん、学校、ご家庭の三位一体でなされる事であり、大きな実りをもたらします。学校のどういった教育方針に共感されたのか、それは、ご家庭の教 育方針とあまり齟齬がないのかを知りたいと思っています。それは、お子様の事をしっかり見ておられるかにもつながります。 ぜひ、この機会にこういった事をご家庭でご確認いただければと思います。
須磨浦小学校 山本義和校長先生
【面接の心得】
〇服装:
・紺、黒系統のワンピース、ブレザー等。白のポロシャツ、ブラウス等。適度の長さのスカート、半ズボン。白靴下、履きやすい靴(決して汚れがない)。
※教育の現場で見た目を問うことはありませんが、面接をしていただくという敬意を示すことは大人になってからも重要なことです。敬意を表さなければなら ない時の服装や髪の始末等、身だしなみを小さい頃より教示する必要があります。それを知って育っていくことは、お子様にとっては目に見えない財宝、宝物と なります。
〇待つ時:
・廊下を走り回ったり、大きな声で保護者や一緒に来ている友達に話したりしない。
・待っている間に先生や知人(友達の保護者等)に出会った時には、きちんと挨拶をする。
・「こうしなさいね。」とか念押しするようなことはしないで、ゆったりとした思いで待てるようにする。
※面接を待つ時は、「静かに待つ」という基本的な生活習慣も観察されています。平素よりお子様には、面接や慶事の折等大切な時(場所)、たとえば演奏 会、外での食事等に、騒いだり走り回ったりすることは、「行儀が悪いことであって、人の迷惑になる。」旨をきちんと教えておく必要があります。
〇個人面接:
・基礎・基本の生活習慣がついているかが問われます。
※挨拶、返事「はい」が気持ちよく言える。ドアの開け方閉め方を丁寧にする。椅子を座ったままくるくる回したり、届かない足をぶらぶらさせたりしない。 (大切な時には体を止めておくことができる子に育てる。) 終わりには椅子をしまう等、平素より実践し自然に行えるようにしておくことが大切です。
・質問の意味をしっかりと聞いて理解し、自分の言葉で答える。
※質問されている人の目を見ながら、答える。手を机の上に置いたり、ぶらぶらさせたりしない。表情が豊かであることも、平素からのしつけや人(友だち)との温かな関わりが出来ているかと問われています。健全健康な毎日を送ることが大切です。
・すぐに「分かりません」と答えないで、少しの間かんがえてもよいのです。
※返答できたかどうかよりも一生懸命答えている姿勢を観察されています。「ここまで考えたけれども、後は分かりません。」「もう、一度お願いします。」等、焦らないで、平常心で普通どおりに言葉を返したり尋ねたりすればよいのです。
・返答の折は、単語だけで答えるのではなく、1つの文、語尾(~です。~ます。)で答える。丁寧語には気を付けましょう。
〇親子面接:
・ 保護者への質問、お子様への質問と別れているので、子どもが戸惑っていても、横から口だししない。戸惑っていても、お子様の顔を優しく見て、安心させてあ げるようにするくらいで、試験官に子どもに変わって答えたり、子どもが答えられない理由を、弁解の意味合いを持った言葉で返さない。
・保護者への質問は、受験雑誌に載っているような通り一辺倒の言葉ではなく、保護者の方の真の言葉で返しましょう。
・保護者の方も、面接をしていただいているという敬意を払われて、平素からの人との温かい会話や礼儀を見ていただくようにされたら良いと思います。
〇面接後:
・ 面接をしていただいたことに感謝し、丁寧な挨拶で学校を後にする。「あそこができていなかった。」「こんなふうに答えたらよいのに。」等、お子様が「だめ だったんだ。」と自信をなくすような言葉掛けはされないで、「よくできたね。」と誉めてあげることも大切です。保護者はいつも、お子様の味方であってほし い。自信をなくすことなく、お子様自身が自分を肯定できるように育ててあげることが大切です。
聖母学院小学校 赤野孝一 元校長先生
【面接に思うこと】
いよいよ、私立小学校の入学試験の季節です。
まだ就学前のお子さんと親御さんと個別にお会いする面接は、試験を実施する小学校の先生たちにとっても緊張の連続です。なぜなら、試験のなかで、これほどストレートに自らの学校についての思いや、我が子にかける思いを肌で感じる機会はないからです。緊張のあまり、額に汗びっしょりになられて口ごもってしまわれたお父さま。母親としての思いに涙ぐんでしまわれたお母さま。さまざまなお顔を思い出します。けれども主役は何といっても5歳・6歳の子どもたち。必要以上に緊張を強いることは、子どもたちにとって、苦痛以外の何ものでもありません。面接会場を出たとたん、「お母さん、お行儀良かったでしょ?〇〇買って!」と大声でお母さんに話している声を聞きながら、せっかくの面接の機会なのに残念だなぁと思ったことがあります。あくまでも、ふだんの親子の関わりをふだん通り表現できれば良いと考えて臨んでいただきたいです。したがって、準備は日々のおうちでの生活です。そんな日常の微笑ましい関わりが垣間見えたとき、きっと面接をしている先生の心にも、温かな空気が流れることでしょう。そんな体験を少し紹介します。
〔手、つないできた〕
Aちゃんは、面接室に入って来るなり、とっても笑顔のステキなお子さんでした。
「Aちゃん、今日はどうやってここまで来たの?」とお尋ねすると、お隣のお母さんとニッコリと見つめあって、「あんな、お母さんと手、つないできた。」と答えたのです。
「電車で」とか、「歩いて」とかの答えがほとんどのお子さんの答えでしたが、とってもユニークで微笑ましいお母さんとの繋がりを感じた一瞬でした。
〔お鍋食べる時!〕
Bちゃんは、少し引っ込み思案のお子さんのようでした。緊張していてなかなか、大きな声で話せません。でも、「おうちでどんなときが楽しい?」と尋ねると、俄然活き活きした目になって、「お鍋。お鍋食べるとき!」と答えたのです。
お話を聞くとBちゃんの家では家族みんなが揃う週末は、毎週お鍋をされるとのこと。「みんなでお話しながら食べるのが好き。」とBちゃん。蛇足になりますが、最近、この質問をしても、黙ってお母さんの顔を見ている子どもさんが増えたのは気になります。正しいことを言わないと叱られると思ってしまうのでしょうか。溢れるおうちの楽しさをどのお子さんにも与えてあげて戴きたいです。
子どもは正直です、普段がそのまま出ます。そしてそれで良いのです。保護者のみなさんも親でなくては語れない“わが家の家族自慢”を大切にして臨んで戴きたいものです。